そーせいの子会社ヘプタレスの持つGPCR解析技術ってなんでしょうか。
素人にはよくわかりませんね。
高度な専門領域の話なので医者でもよくわからないと思います

しかし門外漢ながらいくつか理解できるところもある。
GPCRを解析すると何が出来るのかそれを書いていきたいと思います


GPCR



  • GPCRを完全解析すると何が出来るか



結論から。

人間が外界から受けとるありとあらゆる生理現象を制御する事が可能


まぁかなり誇張がはいってますがザックリいっても大部分のものは制御できるわけです。

喜んだり怒ったり恐怖したり人前に出ると緊張してしまうとかいう情動
眩しいとか匂いとか味、痛い、眠さ、といった感覚
インシュリンを出すとか脂肪をもやすとか出血を止めるとか
胃の働きを調節するとかとか血管を収縮させるとか、生理現象
炎症、免疫をコントロールする

人の持つ多様な生理現象のかなりの部分にGPCRは関与しているわけです


  • GPCRって何?


Gタンパク質共役受容体

典型的なGタンパク質共役受容体の模式図。N末端が細胞外に、C末端が細胞内にあり、7つの膜貫通ドメインと細胞内と細胞外にそれぞれ3つずつループがある。
Gタンパク質共役受容体(ジータンパクしつきょうやくじゅようたい、英: G protein-coupled receptor、GPCR)は受容体の一種。Gタンパク質結合受容体、あるいは細胞膜を7回貫通する特徴的な構造から7回膜貫通型受容体(ななかいまくかんつうがたじゅようたい)[1]と呼ばれることもある。細胞外の神経伝達物質やホルモンを受容してそのシグナルを細胞内に伝えるが、その際Gタンパク質[2]と呼ばれる三量体タンパクを介してシグナル伝達が行われる。全タンパク質中最大のスーパーファミリーを形成している。GPCRは多くの疾患に関与しているため、市販薬の数割がGPCRを標的としている[3]。 このGPCRの機構を解明する上で重要な発見をしたブライアン・コビルカとロバート・レフコウィッツの2名が2012年のノーベル化学賞を共同で受賞している [4]。

WIKIから引用。
 
一読してもわけがわからないですが。GPCRというのはG protein-coupled receptor、の略です。7回膜貫通型受容体。簡単にいえばGタンパク質用のスイッチです。そしてレセプターの一種。外部のシグナルに反応してGタンパク質のスイッチを押す。そういう役割です。簡単にスイッチが押せないように構造はとても複雑

言い換えるとGPCRは鍵穴です。伝達物質(リガンドという)に対して鍵穴に合うものだけを取り込むというレセプターです。プロトコルといってもいい。人間の体には1000近いGPCR=鍵穴が存在し、人は外部からの刺激に応じ体内由来のリガンド(=鍵)を作りこのGPCR鍵穴に差し込むことで、Gタンパク質のスイッチを押し、いろいろな生理的な現象を制御しているわけです

例えば脳内。神経伝達物質に対するレセプターはGPCR型が大多数を占めます
わかりやすい例をいくつか出しましょう

麻薬ってありますね。例えばメタンフェミン。これは脳の一部を刺激して大量にドーパミンを放出させドーパミン受容体に作用して多幸感を得ます。もちろんこのドーパミン受容体はGPCRです。

カフェインというのもありますね。お茶に入ってます。これは天然の弱いリガンドです。カフェインはアデノシン受容体に反応してこれをふさぐ。アデノシン(体内で作られるリガンド)がレセプターに反応するのを阻害します。その結果カフェインを摂取すると気分が高まるなどの効果があります。鍵穴には完全にマッチしてるわけじゃないのでちょっとしか反応しません。このアデノシン受容体はもちろんGPCRです。

GPCRは構造が複雑なため、なかなかその構造解析ができませんでした。2012年にノーベル化学賞を受賞した研究はこのGPCR解析をやったことに対する功績による受賞でした

世界中の創薬の約半数はGPCRをターゲットにしてこれに何らかの作用をもたらす物質をさがしているわけです


  • GPCRの歴史


人類の歴史というのは有史10000年位でしょうか。この時間の中人類はいろいろな経験をしてきました。このキノコはお腹を壊すとか、毒だとか、この薬草は止血に使えるとか、この葉っぱは気分が高揚するとか、いろいろなことが偶然に発見され、人類の知識として蓄積されてきたわけです。なんとなくヤバイ、効能がありそうだ、そういうものが学術として体系化され蓄積していった結果今の医学があるわけです

現代医学の進歩によって、人の細胞が外部情報をどういう条件で認識するのか、その受容体はなんなのかそういうことが研究されていきました。現代医学のメインストリームだったわけです。

1970年頃にマーティン・ロッドベル、アルフレッドギルマンの2人がGタンパク質を発見し1994年にノーベル医学賞を受賞しています。これがGPCR研究の最初の一歩だったようです。

またリチャード・アクセルという学者は嗅覚に関連するGタンパク質の実態を解明し2004年にはノーベル医学賞を受賞しました。脳が匂いをどうやって判別しているのかそういう研究です。

こういった医学の本流にありながらもGPCRの構造解析は非常に難しかった。
数々の学者が構造解析をやろうとしてたくさんの手法が研究されてきましたが決定的なものはなかった。

GPCRは外部の情報因子、シグナルを受けて立体構造が変化しながら細胞に情報を伝えるわけです。情報伝達の際に形を変えるするわけで、こういったゆらぎがあるため構造解析は一筋縄ではいかなかったのです。

2012年にはブライアン・コビルカとロバート・レフコウィッツが人のGPCRの一つ、βアドレナリン受容体を結晶化することにより構造解析に初めて成功したということでノーベル賞を受賞しました。この手のレセプターが7回膜貫通型というスーパーファミリーであることがハッキリしたのもこのあたりの事のようです。


  • ヘプタレスのStaR技術ってどういうもの?


ヘプタレス社はStaR技術というのは「GPCRの構造を変えずに細胞膜から取り出すことが可能な技術」を特許化、プラットフォーム化したもので、GPCRの立体的な構造解析が可能なだけでなく活性、不活性どちらでも取り出せるというのが強みです 
このプラットフォームを使い次々と薬剤候補をだせる部分こそがヘプタレス社の最大の強みです。

学術論文などの引用数などから考えるにヘプタレス社はこの分野のリーダーであって、少なくともイギリスにおいては権威と言ってもいいでしょう

構造解析の手法は弱いX線を使うことにより不安定な状態でも3D的に構造を解明できるというもののようですがまぁよくわかりません。画期的な技術のようです

なんにせよGPCRを単独で解析可能というのは、現在薬の標的となることが判明しているものだけでGPCRは60~70ほどあるわけですから、そのすべてに対して標的化、単独でスイッチを押せるモノを作ることが可能ということです。 
創薬の方法や手段だけでなく標的にも困らないということです。


とある効能がある薬。だけど副作用もある薬。そういう薬があったとします
こういう薬は薬効のあるGPCRスイッチと同時に必要ないGPCRのスイッチを押していたりします
GPCRはスーパーファミリーですから構造が似ている部分もある。
小さいボタンが並んでいて、一つだけ押したい。でもあなたの指が太い場合、それぞれ一つだけ押すのは難しいですよね。GPCR対象の薬はそういう時いっぺんに押して解決してきたわけです。間違ったボタン押してもしょうがないという感じで
ヘプタレスの技術は詳細な構造を解析することが可能ですから個別にスイッチを押すことができます。
副作用の少ない薬をつくる、そういった優位性もあるということです


  • 結論


GPCRを制するものは創薬を制する。
GPCRを制するということは人間が外界から受けとる大部分の生理現象を制御する事が可能であるという事である。

つまり我々がそーせいキチになったり信用二階建てで買ってしまうのは合理的な判断の賜物である

※そーせい株(4565)の熱狂的な信者ファンになること


…ヘプタレスの技術はまだ人間相手には臨床試験に入ったばかりです。
これから上で書いたような優位性が観察できるかどうか楽しみにして待とうかとおもいます。



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